Dvorak 配列は言及されることの多いわりに使っている人を見ない。私は最近5年は家でもそれ以外でもほとんど Dvorak 配列で入力してきたので、どのようにしてその環境を維持してきたのか説明し、これから始める人への一助としたい。
どこでも Dvorak を使う
私は職場 (Windows) と自宅 (Linux, Mac) の両方で Dvorak を使っている。 さらにスマホでもアルファベットをフリック入力にしてとことん QWERTY を避けた。 新しいやり方を続けたいのなら慣れたやり方を捨ててどっぷり浸かるべきだし、 QWERTY で入力する場面が残っている場合、きっといつまでも感覚の切り替えが必要になってつらい。
英語配列キーボードを使う
普通のひとはキーボードのレイアウト変更で、ソフトウェア的に Dvorak 配列を使うと思う。このとき jp106 キーボードに対してスタンダードな Dvorak マッピングというものは存在しないので、loadkeys マップなどを自分で編集することになる。Windows の場合スキャンコード入れ替えでは対応できないのでオンラインソフトを常駐させる必要すらあったかもしれない。一方 英語配列キーボード (pc104) ならば最初からOSが用意しているマップを使えるので、どのOSでも手早く始められる。
英語配列ならキートップを入れ替えて Dvorak 表示にすることもできるが、たまに他の人に使わせることがあるならやめといたほうがよい。
日本語入力では c で か行 とする
日本語は子音母音となることが多く、Dvorak を使うと右手と左手が交互に打鍵されることが多い。 だが k の文字は左手人差し指が担当(QWERTYで v の位置)なので極端に か行 が入力しづらくなる。 そこでIMEのローマ字マッピングを次のように変更しよう。
- ca -> か
- ce -> け
- ci -> き
- co -> こ
- cu -> く
- cya -> きゃ
- cye -> きぇ
- cyi -> きぃ
- cyo -> きょ
- cyu -> きゅ
ちなみに左手担当のほかの子音は p, y, q, j. じゃ行 も zy のほうが入力しやすい。
たまに他の人にキーボードを使わせる場合
上司が思ったように打てないと、Dvorak に対する風当たりが強くなってしまうかもしれない。
Windows7でDvorakとQwertyを簡単に切り替える方法の提案 - nishio-dens's diary
自分が Google IME を使って、他の人には MS IME を使わせるのでもいいと思う。
逆に自分が人のキーボードで入力しなきゃいけないとき、キーを見ないと打てなくなっている。
OSログインパスワードで使う文字を制限する
ログイン画面でユーザ名の入力不要のOSがあるが、そういう不親切なOSではパスワードを入力するときにキーボードレイアウトが間違っていることに気付きにくい。そこで、Dvorak でも QWERTY でも位置が変わらない英数字や記号だけを使ってパスワードを作ろう(このようなことを公言するべきではないかもしれない。複雑で長いパスワードにすること)。
これはさらに、Dvorak 配列を設定したコンソールに KVM over IP(リモート)で接続したときに QWERTY->Dvorak の写像が余計に入る(v を押すとコンソールは k を受け取り t を表示する)問題に対する workaround となる。なにせログインしなければ loadkeys でデフォルトマップに戻すこともできないのだから、どちらでも同じく入力できるパスワードというのは重宝するのだ。